★平成24年度税制改正が成立
社会保障と税の一体改革に基づく消費税引き上げ法案の行方や、国会の混乱が注目を集める中、平成24年度税制改正が3月30日にギリギリで成立しました。
(※)なお、消費税率の引き上げ、相続税の基礎控除の改正や、所得税率引き上げなどを含む「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」は、同3月30日に閣議決定し国会へ提出されました。
(個人に影響する主な改正)
○高所得者への課税強化 増税
給与収入が1500万円超の給与所得控除について、245万円で上限を設定。(25年分より適用)
○役員退職時の課税方法の見直し 増税
役員としての勤続年数が5年以下の退職金について、2分の1課税を廃止。(25年分より適用)
○特定支出控除の範囲拡大 減税
国家資格の取得費や勤務必要経費(図書費、衣服費、交際費等)の特定支出が給与所得控除の2分の1を超える場合には、所得控除できます。(25年分より適用)また、この支出はどこまでが勤務に必要なのか等、プライベートとの境界線の判断が難しい制度であることも付け加えておきます。
○住宅ローン控除の拡充 減税
住宅ローン減税制度の対象に、認定省エネ住宅の新築等をして、平成24年または25年に居住した場合が追加されました。
○住宅取得等資金の贈与税の非課税制度 減税
親や祖父母等から住宅取得資金を贈与した場合の非課税特例が3年間延長されました。
★4月の給与計算の際に注意しておくこと
4月の給与計算は変更点が多いので、給与計算をする際はご注意をお願いします。
○協会健保の健康保険料率が3月分(5月1日納付分)から引き上げられます。(各都道府県で引き上げ率が異なります。)
○雇用保険料率は引き下げになります。
○お子様が就職する方は、扶養親族数の変更に留意します。
○新入社員からは、「扶養控除等(異動)申告書」を受理いたします。
★平成24年度の中小企業資金繰り支援策は?
今年度の中小企業に対する資金繰り支援策として、セーフティネット保証5号(業化が悪化している業種が対象)は、上半期の指定業種を平成23年度に引き続き、原則すべての業種とします。
また、東日本大震災によって直接または間接に被害(風評被害を含む)を受けた中小企業者を対象とする東日本大震災復興緊急保証は、実施期限が平成25年3月31日まで延長されました。