★4月から開始される主な税制
◆法人税率の引き下げ
平成28年4月以降開始事業年度より、23.4%となります。(以前23.9%)
中小法人等で、所得800万円以下の部分は、来年の3月末まで15%のままです。
法人全体に課せられる実効税率(国税+地方税)は、約33%(以前34%)と微妙に下がっております。
これも来年消費税を上げるための布石ととらえている人も多いです。
◆雇用促進税制の見直し
以前までは、ただ従業員を増やせば税制の優遇措置を受けられましたが、4月からは有効求人倍率が低い地域の事業所の従業員を増やさないと受けられなくなりました。
◆空き家にかかる譲渡所得の特別控除の創設
以前空き家問題が深刻な状況だとお知らせしましたが、相続で得た空き家を売却した時に税金がかかっていましたのを、4月から3千万円までは課せられません。ただし、平成31年までとなっております。
かつ申告が必要です。
◆三世代同居改修工事等に係る税額控除制度の創設
自己の所有する家屋に三世代同居に対応した一定の住宅リフォームをした場合、住宅ローンでしたら住宅ローン減税(ローン残高1千万円以下、5年間)、自己資金でしたら工事費用(250万円限度)の10%が控除されます。
◆高額資産を取得した場合の消費税の特例措置の見直し
4月からの改正で不動産業界に激震が走りました。「不動産投資で消費税還付を受けること」を実質的に封じ込める改正です。高額資産(1千万円以上)の取得をした場合には、3年間は免税制度、簡易課税制度は使えなくなりました。(以前は2年間)3年間に拡充されたことで節税の旨味はほぼなくなりました。
★後継者不在問題を抱えている経営者に朗報です!
遺留分特例制度の対象を4月から親族外へ拡大
中小企業における後継者不在が大きな問題となっている中、親族以外を後継者として選定する経営者が増えております。
昨年、事業承継税制では、一定条件があるものの親族以外も対象となり、株式を譲った場合に、贈与税・相続税はほとんどかからなくなりました。
ただ、まだ不十分で、後継者は相続をした場合に、他の親族の相続人から遺留分(最低限保証されている相続財産の割合)を請求されるケースがあります。
このような問題を対処するために、遺留分特例制度を親族外の者でも対象とされるように改正され、4月から施行されます。
遺留分特例制度により、後継者は一定の手続きをとることで、遺留分から除かれるようになります。これにより、後継者は早急に経営にとりかかることができます。