★消費税増税後の経過措置について
2019(令和元)年10月1日より消費税率の引き上げが予定されています。それにあわせて、消費税については経過措置が設けられています。いわゆる「軽減税率8%」と混同されがちな制度についてお知らせいたします。
Q.「軽減税率」8%とは?
A.食品や新聞等を購入した場合は消費税率は8%となります。
Q.消費税の経過措置とは?
A. 原則としては、2019年9月までに契約されたものであっても、実際の引き渡しや提供が10月以降であれば新税率(10%)が適用されます。但し、商品やサービスの中には、契約の締結と実際の引き渡し、消費の時期がずれるものがあり、8%でも良いとされている取引があります。
世の中には様々な取引形態があり、判断基準が難しい取引も少なくありません。そのような取引については、個別に経過措置が定められています。
Q.どんな取引が経過措置(8%)なの?
A.経過措置は主なものとして次の取引となります。
①旅客運賃・娯楽チケット等
9月以前に予約して利用は10月以降になったとしても8%のままとなります。
②ホテル・旅館
チェックアウトの日が原則課税されますが、チェックインの日に課す場合もあります。
③請負工事
請負工事の原則的な消費税の計上時期は、工事が完成し引き渡しを受けた日、もしくは役務の全部が完了した日とされています。しかし、2019年3月31日までに契約を締結した場合には、引渡しが2019年10月1日以降であっても旧税率の8%が適用されます。この部分については誤解が多いですので、以下に例を示します。
例1)2019年4月に請負契約を締結し、8月に引き渡し→引き渡しが8月中ですから、適用されるのは旧税率です。
例2)2019年4月に請負契約を締結し、10月に引き渡し→契約の締結日が3月31日よりも後ですので、新税率が適用されます。
例3)2019年3月に請負契約を締結し、10月に引き渡し→契約の締結日が3月31日以前で、引き渡しが10月以降なので、経過措置が適用され旧税率が適用されます。
ですので、3月31日以前で契約し、10月以降に完成し請求された場合、10%請求されているということもあるかもしれませんのでご注意お願いします。