★平成24年4月から開始される税制は? 法人税編
(1)法人税率の引き下げ
法人税率が以下のように引き下げられ、平成24年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。
①普通法人の基本税率(改正前30%)は25.5%
②中小法人等(大法人の100%子会社等を除く)の年800万円以下の所得に対する軽減税率(改正前22%)は19%
③上記②における法人の時限措置による軽減税率(改正前18%)は15%
なお、税率の引き下げと同時に、復興財源確保のための復興特別法人税が新設され、法人税額の10%相当額が課税されます。
(※ちなみに、復興特別法人税の適用時期は、平成24年4月1日以後開始事業年度から3年間となっております。)
(2)減価償却制度の見直し
平成24年4月1日以後に取得される償却資産については、定率法の償却(改正前250%)が200%に縮減されました。
(3)欠損金の繰越控除制限と期間延長
欠損金(青色及び災害損失欠損金)の控除限度額は、その控除前の所得金額の80%とされました。しかし、中小法人等(大法人100%子法人等を除く)については、現行の100%控除の規定が存置されています。
また、欠損金の繰越控除の期間ですが、帳簿等の保存を前提にその期間(改正前7年)が9年とされました。なお、控除期間の延長は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度において生じた欠損金額について適用されます。
(4)貸倒引当金の改正
引当対象法人が限定されましたが、その対象に中小法人等(大法人の100%子会社等を除く)が含まれていますので、従前と何ら変わりません。
(5)更正の請求
国税通則法の改正によって、更生の請求のできる期間が、税務署が更生を行うことができる期間と同じく、申告期限から5年間とされました。
なお、平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税については、更正の請求の請求期限は従来どおり法定申告期限から1年となります。
★改めて、会社と社員の災害に対する備えを。
東日本大震災から1年。緊急時に、社員の安全と事業を継続するための具体策を改めて確認してみてはいかがでしょうか?
例えば、
・建物の耐震性の確認と補修
・機械設備、ロッカーなどの転落防止
・避難ルートの確認
・会社、家族との安否確認の方法
・非常持ち出し品の確認
・データのバックアップの保管方法
・現状に適した保険の加入 などです。
なお、災害や事故など緊急事態が発生した場合に備えて、最優先で復旧させる事業の選択や、取引先との事前協議、事業に必要な資産について代替策を検討しておくことなども必要となります。